デザイン制作を依頼してから完成までの期間はどのくらい?
デザイン制作にかかる期間は、依頼者にとって非常に重要な判断ポイントです。もちろん制作物によっても変わりますし、どういった内容にするかによっても大きく差がありますが、一般的に利用されやすい印刷物はチラシやポスター、パンフレットなどでしょう。どれくらいの期間を目安に、どういったものが制作できるか、一般的な事例を紹介します。
1か月を目安に制作できるものはこちらです
まず、印刷物が手元に納品されるまでに1か月程度かかるものについてまとめてみましょう。店舗や企業がチラシとして制作しやすいA4~A3程度のサイズの印刷物であれば、ほとんどの場合1か月もかからずに納品までたどりつけます。
サイズが小さければ小さいほど早くできますし、当然両面より片面のほうが早くなります。A4以下の片面印刷なら、1週間もかからずに手元に完成品を納品してもらえる可能性が高いので、急ぐ場合はサイズも限定するほうが得策です。また、ポスターや名刺、オリジナルの封筒なども、1か月も見ておけば充分です。
納期を早めるコツは、テキスト原稿や画像などの素材など、掲載する内容の資料や材料を依頼者側ができるだけ多く提供することです。また、デザイン会社がすでにテンプレートを持っている場合には、そうしたものを利用すれば各段に納期を縮めることも可能でしょう。すでにあるものを利用して組み合わせる部分が多くなればなるほど、当然納期は縮まります。
ただし、それだけオリジナリティーは失われますし、目新しさを求めにくくなることは否めません。そこはデザイン会社のテクニックにも関係する部分ですので、有りもの素材だけを組み合わせても、満足の得られる仕上がりにしてくれるところに依頼することも大切です。
1か月半程度が目安になる制作物はこちらです
1か月半が目安になるのは、複数ページにまたがるパンフレットです。依頼者側も最大限協力して、素材や原稿をすべて用意したうえで純粋にデザインのみを依頼するのであれば、場合によっては1か月近くに収めることも可能かもしれません。ただ、やはりページ数がかさむということはそれだけたくさんの作業が発生することになりますので、チラシやポスターのように紙1枚の制作物と同じにはなりません。
たとえば企業案内や店舗紹介パンフレット、広報誌などはやはり冊子形式になることが多いです。魅力を伝えることが目的ですから丁寧に作りこむ必要がありますし、こうした手の込んだ印刷物を納得いくよう仕上げるためには、一定の期間は見ておきましょう。
中には、なぜそんなにも長くかかるのかと疑問を感じる依頼者もいるかもしれません。かかる時間を理解するには一般的な制作工程を把握するのが一番ですので、ここでざっくりと紹介しておきましょう。ただし実際にはデザイン制作会社によって進め方は変わりますので、あくまでひとつの事例とご理解ください。
まず、どのようなものを制作するか打ち合わせを行い、見積とスケジュールの確認を行います。次にデザイン会社がラフ案を提出し、修正のやり取りを経て構成を固めます。それに基づき、掲載に必要な原稿や写真データなど必要な素材を依頼者側が提供しデザイン会社へ渡しますが、ここまででおよそ3週間は費やすのが一般的です。
すべて揃ったらいよいよデザイン作業に入りますが、作業中確認と修正を行い、印刷できる状態にまで固めるのに2週間程度かかるでしょう。後は印刷して製本し、発注した部数すべてが指定場所へ納品されるまでに1週間程度見ることで、トータル1か月半というスケジュールになります。
極限まで圧縮するには、ラフ案決定までの3週間と、作業中の確認のやり取りにかかる2週間をどれだけ縮められるかにかかってきます。つまり、依頼者側とデザイン会社とがどれだけ信頼関係をもって連携できるか、その協力体制にもかかっているといえるでしょう。
2か月かかる制作物はこちらです
ここまで読んで、印刷物だから時間がかかるのだと考える依頼者もいるかもしれません。ただ一般的には、Webサイト制作のほうがより多くの期間を必要とするのが通常です。もっともデジタルデータになると、用途やボリュームによって要件ごとにさらに大きな差が生じるため、印刷物のデザイン作業より千差万別で一概にいえなくなるのが事実です。
便宜上、非常にスタンダードな企業案内目的のWebサイト制作を行ったケースで、およそ2か月はかかるというのがひとつの目安になるでしょう。紙媒体より時間を要するのは、ワイヤフレームの作成やコーディングが必要とされるためです。当然、依頼者が掲載に耐えられる原稿や写真データなどをすべて提供したうえでこの期間ですから、そこから含めてすべて任せたいという場合は、もっと長く見積もったほうが賢明です。
またWebサイトの場合、実際にPCやモバイル端末などさまざまな機器からアクセスして見てみたときに、イメージと違ったり操作性に満足が行かなかったりすることも少なくありません。もっとこうしたい、もっとこういう情報を載せるべきといった修正点も出やすい媒体ですので、満足のいく仕上がりにしたいなら、できる限り長い期間を見ておいたほうがよいでしょう。
デザイン制作にかかる期間について、制作物ごとに一般的な目安を紹介しました。どのような内容にするかによって大幅に納期は異なりますが、依頼するときにだいたいの目安にするとよいでしょう。
いずれにせよ、少しでもスケジュールを圧縮したいなら、依頼者側も最大限デザイン会社に協力することが必要です。もちろんプロフェッショナルにすべて任せることも可能ですが、その場合はよりスケジュールに余裕をもって依頼することが大切です。